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かくありたい

10:20過ぎ、大好きな和子おばさんが亡くなった。
子どものころからかわいがってくれた。
親以上に頼りにしていた。
親以上に好きだった。
いろんなところに連れて行ってくれた。
美味しいものをたくさん食べさせてくれた。
お小遣いもたくさんもらった。
ほんとうにほんとうに大好きだった和子おばさん。

先週容体が悪化したと聞いて、
覚悟を決めて見舞いに行った。
その日はしっかりと目を開いて、その日から奇跡的に回復の兆しが見えた。
ほっとはしたけど、油断はできないから、もう最後かもしれないと覚悟して病室を後にした。

でも、また会えるかもしれないと希望ももっていた。

二日後には、もう外すことはできないと誰もが思った呼吸器も外れて、
話もできたと聞いた。

それから一週間、おとといは長いこと会っていなかった浜松の叔母が見舞いに行った。
認知症を患う浜松の叔母と、病床の和子おばさんが、お互いをどれだけ認識できたかはわからない。
それでも和子おばさんは、一瞬目を開いて、浜松の叔母を見たという。
きっと二人にはお互いがわかったはずだ。

おそらく体はぼろぼろだっただろう。最後の力を振り絞って、
会うべき人に会い、最後に良い状態を見せてくれて、私が後悔を残さぬように、万事整え、和子おばさんは逝った。

昭和13年10月22日生まれ。76歳の人生を生き抜いた。見事な生きざまだったと思う。
がんばったね。お疲れ様でした。

かくありたい。

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