忍者ブログ

miruwog

日記コーナー

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『切羽へ』(井上荒野著)

井上荒野さんの『切羽へ』を読みました。井上さんご自身が「何も起こらない小説」とおっしゃるように、日常と呼べる以上のものは何も起こらない小説です。この作品について井上さんはこうも語られています。
「たいていの恋愛小説は、男女が出会い、何かが起こる。けれど、表面上は何も起こらない中で、心の中のことを描きたかった」(08/07/02 読売新聞インタビュー記事より)
まさにその通りの作品でした。「何も起こらない」とはいえ、「近所のおばあちゃんが入院した」とか「同僚の不倫相手の奥さんが乗り込んできて酒場が修羅場になった」くらいの出来事は起こります。しかし主人公自身は、いたって平穏な平凡な日々を過ごしている。それでも読み手を物語の世界に引き込む力、読者に自分があたかもその島(物語の舞台は長崎県の崎戸という島らしい)の住人であるかのように錯覚させてしまう臨場感に、圧倒されます。
日常や人の心に潜むドラマを見出し、それを掘り起こす。プロの仕事です。
PR

この記事へのコメント

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧できます
 

この記事へのトラックバック

トラックバックURL

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

地球の名言



presented by 地球の名言

最新コメント

[04/22 miruwog]
[04/22 NONAME]
[04/22 NONAME]
[06/07 みるを]
[06/06 こざっぱ]

最新トラックバック

プロフィール

HN:
みるを
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

カウンター

Copyright ©  -- miruwog --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Photo by Didi01 / Powered by [PR]

 / 忍者ブログ